【若者塾】視察研修のご報告~かみえちご山里ファン倶楽部~

2012.9.22-23


 

温かい里山の風景が広がる新潟県上越市西部中山間地域「桑取谷(くわどりたに)地区」kamiechigo1.JPG


ここで活動するNPO法人「かみえちご山里ファン倶楽部」が今回の視察先です。


「かみえちご山里ファン倶楽部」では、水源の森から海まで、桑取川の流域をフィールドに里山・里海の地域おこしや伝統文化の継承のための活動をしています。


現在会員が325名、理事は12人で、地域のキーパーソンに理事に入っていただいているほか、市内在住の理事には地域を外の視点から助言を与えていただくという仕組みになっています。


事務局スタッフは8人で、そのうち7人が県外からの20~30代の若者という構成です。





置賜からバスに揺られること5時間

待ち合わせ場所の「古民家ゆったりの家」に無事到着しました。


kamiechigo2.JPGkamiechigo3.JPG


ここは活動の一環として改修した茅葺の古民家で、
上越市からの管理委託をうけ、かみえちご山里ファン倶楽部で管理・運営をしています。

現在は地域の集会所や視察研修の受け入れ場所として使われています。


kamiechigo4.JPG


この趣のある古民家のなかで、「かみえちご山里ファン倶楽部」の理念や活動について、
山形県河北町出身の三浦さんに紹介していただきました。



かみえちご山里ファン倶楽部では、
文字や記録に残らない口伝えの技術を学ぶこと、
また、一度消えてしまった伝統行事を再現することを通し、
伝統を守り、さらに深め、新たな価値を創造する活動をしています。


これを表した活動理念が『守る・深める・創造する』です。

共同作業により労力を交換し合う「いいっこ(=結、ゆい)」の心を大切にし、
かみえちごの文化や暮らしを『守る・深める・創造する』ことで、
豊かな地域文化を育むことを目的としています。


あくまでスタッフは「つなぎ役」であり、
主役も先生も地域の人であるというスタンスを大切にしています。


テーマパークのように、一度足を運んで終わってしまうのではなく、
心の拠り所として継続して訪れてくれる人を増やすことを目指しています。

そのため、体験ではなく"学校"という形で継続的な参加者を募って活動しています。


廃村になる可能性のある集落が全国に2,500以上ある現実のなかで、
"どこにでもある"ものを、"どこにもない"価値あるものに生まれ変わらせることも、活動の特徴の一つです。



県外出身の若者がなぜこの地域に入り込んで活動できているのか?私は不思議に思っていました。

それは、しっかりとした理念のもとの活動であること、
地域の方の理解と協力を得るために常に努力をしていることが背景にあるのだとわかりました。


かみえちご事務局スタッフにとっては、

桑取谷のみなさんの生きる姿がかっこ良く、憧れの対象であることや、
自分たちの活動が地域に認められ、地域の方が主体的に関わってくれるようになったときの喜びが

活動のエネルギーになっていることもうかがえました。





話を聴いたあとは実際の活動場所の見学です。

まずはゆったりの家のすぐ近くにある古民家「白川邸」へ。


kamiechigo5.JPG


古民家の改修・再生活動を通して地元の大工さんから智恵と技術を学ぶ
「ことこと村づくり学校」の活動フィールドでもあります。
※ことこと(=ゆっくり)という意味。



一歩中に入ると、木の温かみに溢れた囲炉裏のある空間。

kamiechigo6.JPG

「ことこと村づくり学校」のメンバーが少ない補助金を活用して、少しずつ改修作業を続けています。



屋根裏の構造は、この地域の古民家に特徴的な造りになっています。
kamiechigo7.JPG

根曲がりの木を組み合わせることで、雪の重さとバランスをとりながら屋根を支えることができるそうです。



この技術、現代の大工さんでも難しい技術とのこと。
古民家の改修作業を通して、地元の大工さんからこのような難しい技術も学びます。

伝統技術のなかには、生きる智恵が散りばめられています。
このような目に見えないものを記録に残していくことも活動の目的の一つです。

「ことこと(=ゆっくり)」という名前の通り、
一つ一つの技術を丁寧に学びながら、数年かけて改修作業を進めていきます。



完成したら、蕎麦屋さんを開店するほか、一棟貸しの民宿にもするそうです(*^^*)

夢は大きく描きながら☆活動は一歩一歩、地道に続けてゆく。
それが「かみえちご山里ファン倶楽部」の活動スタイルのように感じました。






続いて向かったのは自然体験施設「くわどり市民の森」

kamiechigo8.JPG


上越市からの受託をうけ、水源の森および施設の運営管理を行っています。


年間約20回のイベントを開催するほか、
自然体験プログラムの提供、地元小中学校の総合学習の受け入れもしています。

炭焼き小屋もあり、地元の炭焼き名人とともに炭焼き体験会を開催することもあるそうです。

272haの敷地のなかにはいつでも自由に楽しめる散策道やくつろぎスペースが整備され、休日には家族連れの姿もみられます。


市民の森をはじめとする受託事業は、かみえちごの大事な活動のひとつです。





事務局長の二羽さんから、市民の森の活動概要と経緯について説明をうけました。

kamiechigo9.JPG


この施設も、立ち上げ当初は机が二つしかない、小さな施設だったそう...
少しずつ少しずつ活動の幅を広げてゆき、市側と協議をしながら今の姿までたどりついたと伺いました。


これまでも今も、地元の方の協力があってこそ、活動が成り立っているとスタッフの二羽さんは話してくださいました。

の草刈りも、冬場の雪対策も(この地域は積雪が5mを超えます!)、地域の方の協力なしにはできません。

現在、約10名の地域の方が作業員として施設周辺の維持管理に関わっているそうです。





視察で話し足りなかったことは、夜の交流会でじっくりと。。


この桑取谷で暮らすと決めたその魅力は?
集落にどっぷり漬かって暮らすのに、苦労はないのですか?
冬の間の仕事はどうしているのですか?


といった話から始まり


スタッフを交換し合おうか?
お互いに行き来したり情報交換したりできるといいね、と

今後の交流についても盛り上がりました。



*****



壁にぶつかることもあり、嬉しい言葉をかけられることもあり。

地域の方の協力を得ながら、一歩一歩活動を続けるかみえちごのみなさんの姿がとても印象的でした。


過疎、少子高齢化、農地の荒廃、地域コミュニティ機能の衰退など、
桑取谷でも置賜でも、同じ地域の課題を抱えています。

それでも活動を続けるかみえちごのみなさんを目の当たりにしたいま、
置賜でも何か動き出すことができるはず、と考えています。


"どこにでもあるもの"は"どこにもないもの"にもなり得ます。

地域にある見慣れたものも、"どこにもないもの"に生まれ変わるチャンスがある、
そんな目線で地域を見ると、また違った発想が出てくるかもしれません。


(ほそかわ)

2012年09月27日 更新

  • おきためいてぃぶ若者・団体登録グループ募集
  • おきさぽ
  • MURAYAMA若者活動コラボサイト
  • やまがたおこしあいネット
  • おきためいてぃぶ記事投稿フォーム

月別の記事